全国転勤のある仕事に従事していると、引っ越しをともなう辞令を避けられないことがあります。パパに単身赴任をしてもらうか?それとも家族みんなでついていくか?家族にとっては先が少し不安になってしまいますね。

 

子どもが幼稚園や小学校に通っている年齢の場合、転校しなければならないし「子どもは引っ越しで傷つかないだろうか」「新しい環境でうまくやれるだろうか」と、心配になる方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、転勤族の子どもの特徴や、親が子連れで転勤する際に気をつけたいポイントについて紹介します。

 

 

転勤族の子どもの特徴

 

住み慣れた場所を離れるという経験は、良い意味でも悪い意味でも、子どもに大きな影響を与えます。

 

親の転勤にともなって移動を繰り返す子どもには、どのような特徴があるのでしょうか。

 

 

順応性が高い

 

すでにある程度の人間関係ができあがっている中に1人で入っていくのは、大人でも緊張するもの。転勤族の子どもは、転校に伴いそれを半年〜数年おきに繰り返さなければなりません。

 

そのため周りの様子をよく観察して、うまくとけこむ順応性が高くなる傾向があります。

 

親としては、「転校生だからといじめられるのでは?」という不安があるかもしれませんが、好奇心旺盛な子どもたちにとって、転校生は歓迎すべき新しい仲間です。

 

多くの場合は、いじめにあうようなこともなく、1か月ほどで学校生活や人間関係にも慣れ、新しい生活にも適応できるようです。

 

アート引越センターが1999年に行った「転校生意識調査」において、8割程度の子どもたちが「生活環境の変化に対応できた」と回答していることからも、子どもの適応力の高さがうかがえますね。

 

参考:https://www.the0123.com/kenkyu/vol3.html

 

 

家族思い

 

引越しは細々とした手続きが多いもの。引っ越し先の家を決め、荷物を整理し、学校を選び、住所変更の書類を準備するなど、親の負担も相当なものです。

 

そのため転勤族の子どもは、親子や兄弟姉妹間での助け合いの気持ちが強くなり、家族思いになることが多いようです。

 

筆者は夫の海外転勤にともない、子どもを連れてインドに3年滞在していました。日本に戻ってきたとき、長女は5歳の年中児でしたが、引越しにあたふたしている親を気遣い、まだ0歳だった次女のめんどうをよく見てくれていました。

 

また、引っ越しによってそばにいる友人知人が変わっていきます。転勤を繰り返すと、「ずっと一緒にいるのは家族だけ」という状況になるため、家族の絆は自然と強くなります。

 

 

自立するのが早い

 

引っ越し先では、親も新しい仕事に慣れたり、新しい生活を整えたりしなくてはならず、余裕がなくなることも多いものです。

 

大変そうな親を見て育つので、子どもも「自分のことは自分でなんとかしよう」という気持ちになりやすいようです。

 

インド駐在時に知り合った、10年以上海外転勤を繰り返してきたご家族のお子さんは、「私、どの世界でも生きていけると思う」と笑っていました。引っ越しを繰り返すことで、自活する能力はもちろん、自分の気持ちを上手にコントロールする力も鍛えられるようです。

 

 

転勤が子どもに与える影響

 

 

転勤によって子どもにマイナスの影響が出る場合もあります。

 

半年から数年程度の移動を繰り返すと、子どもは「友だちと仲良くなっても、しばらくしたらどうせ離れ離れになる」と、深い付き合いを避けるようになることも。

 

気持ちの切り替えが早い分、執着心の薄い子どもになってしまうこともあるようです。

 

また、処世術に長けてしまい、内心では強い孤独を感じているのに、それをうまく表現できなくなる可能性もあります。

 

転勤族の子どもは、総じて「良い子」になりやすいのですが、親は子どもが無理をしていないか、ストレスが溜まっていないか、大切なことをあきらめてしまっていないか、注意深く見守る必要があります。

 

 

転勤するときの子どものケア

 

 

幼稚園や小学校に通う子どもを連れて転勤する場合、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。特に注意しておくべきことは次の3つです。

 

 

学校の選び方と転校の時期

 

転校先の学校を選べる場合は、しっかり下調べをしておきましょう。

 

マンモス校であれば、先生や子どもたちも転校生の扱いに慣れている可能性が高いです。

 

使っている教科書が転出元の学校と同じであれば、授業にも早くなじめます。

 

子どもが続けている、あるいはやってみたい部活動があるかどうかも大きなポイントです。

 

また可能であれば、新しい学校生活は4月からスタートさせたいものです。

 

クラスの人間関係ができあがっている学期の途中で転校するのは、子どもの負担が大きいですし、クラス替えの直後であれば、新しい仲間にもなじみやすくなります。

 

子どもが長い時間を過ごす場所ですから、スムーズに溶け込めるように配慮できると良いですね。

 

 

学力は平均以上の維持を目指す

 

子どもの学力は、なるべく平均以上を維持できるようにサポートしてあげましょう。どこへ転校しても続けられる、通信教育を活用するのもおすすめです。

 

新しい環境になじむ努力と、学力アップを両方こなさなければならないのは大変です。特に使用している教科書が違う学校へ編入する場合は、学習進度が異なり戸惑うこともあります。

 

どの地域へ転校しても勉強についていけるように、子どもの学習を見守ってあげたいですね。

 

 

家族のつながりを深くする

 

引っ越しによって人間関係をリセットしなければならない子どもにとって、家族の存在はとても大きいものです。

 

親自身も慌ただしく、不安もあるかと思いますが、なるべく転勤を前向き・楽天的にとらえて、子どもにもポジティブな声かけをしていきましょう。引っ越し先の情報誌などを取り寄せて、家族で引っ越しをする楽しみを見つけるのもおすすめです。

 

また、子どもは適応力や順応性が高いとはいえ、転勤直後は周りの顔色をうかがって過ごすため、疲れやすくなっています。

 

家が子どもの「安全地帯」になるよう、子どもの弱音や本音をしっかりと受け止めてあげてくださいね。

 

 

 

転勤はデメリットばかりじゃない!

 

 

わが家は数年前にインドから日本に戻ってきましたが、夫は今も国内・海外を問わず転勤の可能性がある部署に所属しています。

 

そのため毎年辞令が出るシーズンになると、家族で「異動って言われるかな」とそわそわしては、次の生活のシミュレーションをして話し合いをします。

 

小学生になった長女は、「パパが異動になって、今の学校の友達と離れるのは悲しい」とは言うものの、転勤へのマイナスイメージはそれほどないようです。

 

「転校したら新しいお友達もできると思うから大丈夫」と前向きなのは、日本に戻ってきたときもそれほど抵抗なく、友達がすぐにできた経験があるからだと思います。

 

引っ越しをともなう転勤は親も子も大変ですが、その大変さを乗り越えた経験から、「大きな変化の中でも自分はうまくやれる」という自信や、自立する力が養われます。

 

どちらかと言えばマイナスイメージの強い「転勤族の子ども」ですが、案外子どもはたくましいものです。

 

子どもの持つ力を信じて、親も前向きに転勤生活を楽しめると良いですね。