男の子・女の子に関わらず、ご飯を食べるのも、お風呂に入るのも、お出かけするのも断固拒否。「魔の二歳児」と呼ばれるこの時期は、とにかく口を開けば「イヤ!」が出てくるくらい激しい自己主張に頭を悩ませるパパママも多いのではないでしょうか。

 

イヤイヤ期がひどいと、もう何をどうすればよいのかわからないとお手上げ状態になってしまう事も。さらに癇癪(かんしゃく)や暴れなどの行動が目に付くようになると、子供の将来のためにしっかりしつけをした方が良いのか、それとも見守るべきなのか、匙加減が難しいですよね。

 

今回は子育ての第一関門とも言える「イヤイヤ期」の特徴や原因を探っていきます。それを踏まえて、絶対的にしつけが必要な時はどんな時なのか、またひどいイヤイヤ期に悩むパパママが少しでも穏やかに過ごすための方法についても触れていきます。ママライターがおすすめする「リフレーミング」というも対処法をご紹介します。

 

イヤイヤ期ってなに?特徴や原因とは。

 

早い子は1歳半くらいから始まる事もあると言われている「イヤイヤ期」。短い期間で終わる子もいれば、長い間続く子も。イヤイヤの種類も度合いも様々です。まずはその特徴や原因について解説していきます。なお、イヤイヤ期の表れ方には個人差があります。今回ご紹介する特徴や原因は一般的なイヤイヤ期の例です。一つの参考として読んでくださいね。

 

 

これってイヤイヤ期?

イヤイヤ期というと、そのネーミングから、何に対しても「イヤ!」と癇癪(かんしゃく)や拒絶する行動をイメージされる方も多いでしょう。実際、あらゆる物事に対しての拒絶反応は典型的なイヤイヤ期の特徴の一つです。しかし、イヤイヤ期の子供が見せる行動はそれだけではありません。

 

イヤイヤ期の子供の言動の根底にあるのは自己主張。自分の思いや要求がうまく伝わらなかったり通らなかったりした時に、特に激しい反応を見せることが多いです。子供によっては次のような特徴が全て当てはまる子もいれば、どれか数個だけが目立つという子もいます。

 

 

 

イヤイヤ期の原因とは?

最新の脳科学によると、イヤイヤ期の行動は子供の脳の未発達さが原因だという事がわかってきました。小さな子供の脳は、欲求を抑制する働きを司る「前頭前野」という部分がまだ発達していないのです。つまり、イヤイヤ期の様々な行動は、脳の「前頭前野」が成長する上で必要な経験。イヤイヤ期を通して脳が成長していくとも言えるのです。

 

我慢が出来ないから、やりたい事に対して全力で向かっていき、それが叶わなかった時は全力で拒絶する。それがイヤイヤ期の子供のごく自然な考え方なのですね。

 

参考:NHKスペシャル最新科学で迫る ニッポンの子育て

 

 

絶対的なしつけが必要な「イヤイヤ」とそうではない「イヤイヤ」

 

ヤイヤ期の様々な感情や言動は、子供の成長にとって必要だという事はわかっても、どう対処すればよいのか判断に困る場合もありますよね。特に、子供自身や他人を傷つける可能性のある行動に対しては注意が必要です。

 

 

絶対的なしつけが必要な「イヤイヤ」とは

自分や他人を傷つけてしまう可能性のある行動は、出来るだけすぐにやめさせるようにします。ただし、大声で叱ったり手を叩いたりしても、2歳の子供には「しつけ」としては伝わりません。優しく手をつかみ、抱きかかえてまずは落ち着かせます。他の子と喧嘩してしまっている場合は、子供同士を離してそれぞれの身の安全を確保します。

 

泣き止んだら、目を見て「叩くのはダメだよ」などの短い言葉で言い聞かせるというのが幼児に効果的な方法。これを繰り返し何度も行う事が大切です。

 

癇癪(かんしゃく)がひどい時は、何をしても落ち着かないという場合もあるでしょう。そういう時は、子供がある程度暴れても怪我をしないような安全な場所に移動し、しばらく様子を見るというのも一つの手です。

 

 

それ以外の「イヤイヤ」には、一貫性を持って対応

自分や他人を傷つける可能性のない行動の場合、どこまでを許容し、どこからしつけを行うのかという基準は、家庭によって考え方が異なります。それぞれの家庭で自分達の納得するしつけの基準を作っていく事になります。この時に大切なのは、一貫性を持つことと厳しくなりすぎないこと。

 

同じ行動に対して、昨日は「ダメ」と言ったのに、今日は「良いよ」というと、子供はどちらが正しいのか混乱してしまうかもしれません。泣きわめく子供を前にすると、毅然とした態度を保つのは難しい事もありますが、一定の基準を守り通すようにすると、徐々に子供も理解してくれるようになりますよ。

 

一方で、全てのイヤイヤ行動に対して厳しいしつけを行ってしまうと、子供が自己主張できなくなってしまうリスクも。子供が自分の意思で行動している時は、可能な範囲で見守ってあげるように心がける事も必要ですね。

 

 

イヤイヤ期がひどい我が家の次男!少しでも穏やかに過ごすためにしたこと

イヤイヤ期の原因はわかったけれども、脳が発達するまで待てない!とにかく今のひどい状態を脱したい!と考えているパパママへ、今まさに次男のイヤイヤ期真っ只中の我が家の対処方法をご紹介します。

 

我が家の次男は、癇癪(かんしゃく)を起すと何時間でも泣き続けるという強者。さらに、抱っこしようとするとエビ反りになって反抗するので、危なくて抱っこも出来ません。そんな我が家では「子供を変えずに周りを変える」という考え方でイヤイヤ期と日々対戦しています。

 

生活リズムを整える

癇癪がひどい時は、眠かったりお腹が空いていたり体調が悪かったりという、何かしら別の要因が働いている場合が多いです。そういった不機嫌とイヤイヤが重なるのを極力避けるため、生活リズムを整える事に全力を注ぎます。

 

家の中の安全対策を万全に

我が家の次男は、怒るとおもちゃでも食器でもなんでも投げるタイプ。グラスを床に投げつけて「ガッシャーン!」と割られた時には、さすがに冷や汗が出ました。それ以降、次男の周りには固くて壊れやすいものは絶対置かないように。またトミカやプラレールなどのおもちゃで遊んでいる時は、目を離さないようにしています。

 

 

気を紛らわす作戦

癇癪(かんしゃく)のスイッチが入ってしまうと、何を言っても子供の耳には入りません。そんな時は、真正面から戦っても無駄。場所や声のトーン、目線、音楽などなんでも良いので気をそらす作戦に出ます。数秒でも泣き止む時間を重ねていき、最終的におやつやおもちゃへ誘導していきます。

 

外遊びで体力発散

外遊びで思いっきり走り回ると子供も気分が晴れるようです。天気の良い日は公園で走らせたり、遊具で好きなように遊ばせたりして、思う存分発散させます。

 

どうしようもない時はリフレーミング

色々対策はしても、やはり上手くいかない時はあります。そんな時の対処法は、「イヤイヤ期も成長の証だ」と自分の思考を変えて前向きにとらえるようにしています。リフレーミングというのは、ある物事を別の角度から捉えなおすという意味の言葉です。例えば「頑固」という性格も、別の視点で見ると「粘り強い」と捉える事ができますよね。また「いつまでも泣き止まない」という行動は「体力がある」と言い換える事もできます。

 

このように、短所と捉えられがちな行動も、見方を変えるだけで子供の長所になり得るという事がわかりますよね。そうやってリフレーミングを行う事で、親もストレスをためずに子供の「イヤイヤ」をやり過ごす事ができる場合もあります。

 

 

まとめ

 

子供の脳の発達にとって欠かす事のできない「イヤイヤ期」。誰もが通る道ではありますが、出来る事なら穏やかに親も子も笑顔で過ごしたいものですよね。生活リズムや安全な環境を整えつつ、しつけを行う時はしっかりと。そしてどうしても「お手上げ!」という時にはリフレーミングで気持ちをリフレッシュさせてみたり、先輩ママに相談してみてはいかがでしょうか。

家事と子育てでママも大変かと思いますが、この時期を頑張って乗り越えていきましょう。