絵本の中の主人公の気持ちに自分自身の気持ちを重ね合わせ、疑似体験ができるのは、絵本の魅力の一つ。特に、自分の感情を把握したりコントロールしたりするのがまだ難しい小さな子供にとって、自分と同じ境遇の主人公が登場する絵本は人生の道しるべのようなもの。

 

今回は私が次男の出産前に出会い、家族みんなで読んできたお気に入りの絵本を3冊ご紹介。初めて兄弟姉妹ができる子供の不安をやわらげ、絵本の世界観にどっぷりと浸る事のできるおすすめの絵本です。

 

 

 

これからお兄さん、お姉さんになる子供に読んであげたい絵本

 

 

今まで親の愛情を一心に受けてきた子供にとって、自分以外の赤ちゃんを受け入れるのは難しいこと。第二子の誕生によって不安感が増したり感情的になってしまったりという「赤ちゃん返り」はよく知られています。我が家の長男も激しい赤ちゃん返りを経験した一人。

 

これらの絵本を読み聞かせることによって赤ちゃん返りを防ぐことができるとは言えません。しかし、長男が赤ちゃん返りをしている最中であっても、絵本の読み聞かせの時間は比較的穏やかだったと記憶しています。

 

 

1.おへそのあな


 

作  : 長谷川 義史
出版社: BL出版
価格 :1,300円+税

 

ママのお腹の中にいる赤ちゃんの視線で描かれた『おへそのあな』は、これから赤ちゃん(特に二人目)を迎える家族にぴったりの一冊。なんとお腹の中の赤ちゃんは、ママの「おへそのあな」を通して外の世界をしっかりと見ているという面白い想定なのです。この絵本を読んでいる時、長男はよく私のおへそに向かって「赤ちゃーん、もうすぐ生まれてきますか?」と呼びかけていました。

 

赤ちゃんが生まれるという一大イベントを前に、家族みんながそれぞれに期待を膨らませていきます。しかし誰よりも期待に胸を躍らせているのは赤ちゃん本人なのかもしれない…。出産というイベントが母親一人だけのものではなく、赤ちゃん本人も含めた家族全員の大切な出来事なのだと改めて気づかせてくれる絵本です。

 

 

 

ちょっと、ひとこと。

 

 

mamiohママライター メイ

 

最初は赤ちゃんを迎える長男の心の準備として購入したこの絵本でしたが、何度も読んでいるうちに私自身大好きな絵本になりました。

 

そして驚く事に、生まれてきた次男が物心つく頃になると、この絵本を「読んで」と持ってくるようになりました。偶然だとは思いつつ、お腹の中で何度も聞かされていたので愛着があるのかも?と思わずにはいられません。

 

 

     

     

    2.どんどこももんちゃん


     

    作  : とよた かずひこ
    出版社: 童心社
    価格 :800円+税

     

    「どんどこ どんどこ どんどこ どんどこ ももんちゃんが いそいでいます」

     

    ハイハイしたり走ったり、山を越えたり熊さんを投げ飛ばしたり!?「どんどこ」という力強い擬音語が不思議としっくり感じられる程、赤ちゃんらしからぬパワフルさで無敵なももんちゃん。赤ちゃんはか弱いというイメージがありますが、大きな泣き声で泣き続けたり、家中をコロコロ転がりまわったりと、時に大人がアッと驚くような力強さを見せますよね。

     

    ▷ももんちゃんが、どんどこどんどこ走っていきます。川を渡って山を登って、どんどこどんどこ。

     

    転んで涙目になってもママに抱っこされたらすぐにっこり。そんな赤ちゃんの無敵さをユーモアたっぷりに思い出させてくれる一冊は、これから赤ちゃんを迎える家族全員の心の準備にぴったりです。

     

     

    ちょっと、ひとこと。

     

     

    mamiohママライター メイ

     

    この絵本は長男の通う保育園でもよく読み聞かせしてくれていました。「どんどこ」などの擬音語をたくさん使った文体も、「どんどこももんちゃん」の魅力の一つ。

     

    リズミカルな文は、読んでいるだけで元気が出てきます。保育士の先生は面白おかしくユーモアたっぷりで読んでくれていましたが、家で私が読む時は少しゆったりと暖かな気持ちで読んでいました。

     

     

     

     

    2.ごちゃまぜカメレオン


     

    作・絵: エリック・カール
    訳  : やぎた よしこ
    出版社: ほるぷ出版
    価格 :1,800円+税

     

    誰もが一度は目にしたことがある大ベストセラー絵本「はらぺこあおむし」の作家エリック・カールによる作品。この絵本は、エリック・カールがたくさんの子供たちと一緒にお絵描きしている中で発想を得たのだとか。子供たちの豊かな想像力をそのまま絵本に凝縮したようなユーモアたっぷりの一冊です。

     

    カメレオンといえば、周りの環境に応じて体の色を自由自在に変えられる動物。しかし、色だけでなく形まで変わってしまったら…?葉っぱや土の上で静かに暮らす生活に飽き飽きしたカメレオンは、動物園で見かけた様々な動物たちの素晴らしい特徴に憧れます。しかし、すべての動物の良いところだけを取り入れたら、果たしてカメレオンは本当に幸せになるのでしょうか?

     

    「自分は自分」という当たり前だけど忘れがちなメッセージをしっかりと伝えてくれる「ごちゃまぜカメレオン」は、自我が芽生えてきた子供たちにぴったりの絵本。そして、兄弟姉妹の育児に奮闘するパパやママにも「みんなちがって、みんないい」と気づかせてくれるはず。

     

     

     

    ちょっと、ひとこと。

     

     

    mamiohママライター メイ

     

    次男が生まれた時、まだ3歳弱だった長男は、そういった絵本のメッセージを理解していたかどうかわかりません。しかし、色鮮やかなエリック・カールの世界観に魅了され、何度も何度も読んでいました。

     

    理屈ではなく、きっと心が感じ取っていたのだと思います。

     

     

     

     

     

    思いつめてしまいがちな時こそ、絵本の出番

     

     

    新生児の絶え間ないお世話に加えて、上の子の心のケア。二人目の産後はとにかく気を遣う場面ばかりで、思いつめてしまうママも多いかもしれません。私も長男の赤ちゃん返りがひどくて解決策が見つからなかった時は、人目もはばからずに涙目になってしまう時がよくありました。もちろんそれは子供も同じ。兄弟姉妹の出産という未知の体験を通じて、自分がどう振る舞えばよいのか、そして親の自分への感心が薄れてしまわないか、大きな不安を感じていることでしょう。

     

    そんな時こそ、現実とは全く違う世界に没頭させてくれる絵本の出番です。絵本の読み聞かせを通じて、親子の不安感が和らぎ、暖かな気持ちになれると良いですね。

     

     

     

    ◆ご紹介した本の詳細はこちらから

    下記をクリックすると、絵本の紹介ページに飛びます。

     

    1.おへそのあな

    2.どんどこももんちゃん

    3.ごちゃまぜカメレオン