「イクメン」という言葉もすっかり定着し、ここ10年ほどで男性の育児参加は進んでいるように感じられますが、まだまだ「子供の育児は母親が中心」というご家庭が多いようです。

 

夫婦で納得のいく役割分担ができていれば良いのですが、一般的に子供の育児は母親に負担がかたよりやすく、「私はこんなに大変なのに、旦那が育児をしてくれない」という不満につながりがちです。

 

わが家もかつては9割以上の育児を筆者が担っていました。長女が8歳になった今、その分担は6割程度になったように感じていますが、ここにいたるまでに、ずいぶんと夫と話し合い、時には大きなケンカも繰り返してきました。

 

そこで今回は、育児をしない旦那さんとどうやって向き合っていくべきか、筆者の体験を交えながらアドバイスができればと思います。

 

 

 

 

自分が頑張ればいい、は絶対ダメ!

 

 

まず一番大事なことは、「自分ががんばればいい」と思い込まないことです。

 

「私さえガマンすれば」と無理を続けてしまうと、心や体を壊すことになりかねません。

専業主婦だからと言って家のことや子供のことを365日毎日1人でこなすことは容易ではありません。

また、共働き世帯の場合はママは仕事に家事に子育てで朝起きてから夜眠りにつくまであれもこれもやることになり、負担が大きくなります。

筆者は、生後半年の長女を保育園に預けて会社に復帰したとき、ワンオペ育児と仕事の疲労で、難聴になってしまったことがあります。

 

幸い薬が効き完治しましたが、1人で抱え込んでも良いことはないと実感したできごとでした。

 

育児は長く続くもの。無理を抱えたままでは、どこかで力尽きてしまいます。

 

双方が納得のいく育児分担になるように、あきらめず前向きに、夫婦で改善していくことを目指しましょう。

 

 

 

 

旦那が家事・育児をしない理由は?

 

 

閣府の資料によると、2016年における日本の6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連時間は、1日当たりわずか1.23時間。妻の7.34時間と比べると雲泥の差で、先進国の中でも最低の水準です。

 

これほどに家事や育児をしていないのはなぜなのでしょうか。いくつかの理由が考えられます。

 

 

 

育児に参加する時間や気力がない

 

 

総務省の労働力調査によれば、子育て期にある30~40代男性のうち、2017年はおよそ15%が週60時間以上就業しています。

 

1日のうち12時間働き、1時間は移動に使い、7時間眠るとすると、残りはたった4時間です。

 

食事などもしなければなりませんから、30~40代男性のおよそ7人に1人は、家事・育児に参加する充分な時間的余裕がありません。

 

週60時間以上の就業ではなくとも、慢性化した長時間労働やストレスで、育児に向ける体力や気力が残っていないという男性も多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

役割分担の不公平さに気づいていない

 

 

特に1人で子守をしたことがない男性の場合、育児の大変さや、やらなければならないこと(タスク)の多さに気づいていないことがあります。

 

育児における1つ1つの作業自体は、基本的には高い技術力が必要なものではありません。

 

でも、24時間子どもの事情に振り回され、何一つ自分だけのペースでは進められない上、うっかり目を離すと子どもの命にかかわるという意味では、育児は会社で仕事をする以上にストレスフルで、疲れが取れないものです。

 

実際に育児をしたことのない夫は、「育児が大変って言っても、別に難しいことをしなきゃいけないわけじゃないでしょ?」「僕も子どもをお風呂に入れたり寝かしつけたりしているから、手伝いは充分じゃないの?」と思い込み、役割分担の不公平さをわかっていない可能性があります。

 

 

 

「育児の主体は自分」という意識が育ちにくい

 

 

女性は働いていたとしても、多くの場合は産休・育休を取りますから、育児に集中的に向かいあわなければならない時間ができます。

 

さらに母乳で育てている場合、母親と赤ちゃんが長時間離れることも難しくなります。

 

初めての育児で勝手がわからなくても、母親は「とにかく育児をしなければならない」状況に追い込まれ、少しずつその状況に適応していくといえます。

 

一方で男性の場合、日本では子どもが産まれても休暇は取らず、フルタイムで働き続けることがほとんどです。

 

出産も授乳もせず、自分の仕事のスタイルも変わらず、1人で赤ちゃんを見ることも滅多にないとなると、「自分が育児をしなくても何とかなる」と思ってしまい、「自分も育児要員だ」という意識が育ちにくいのかもしれません。

 

 

 

 

育児をしない旦那と向き合う方法と改善策とは

 

 

育児をしない夫とは、どのように向かい合っていけば良いのでしょうか。筆者が実践し、育児分担の改善に効果的だと思った方法を3つご紹介します。

 

 

夫の話を聞いてみる

 

 

まず、夫が育児に対してどう思っているのか聞いてみましょう。

話し合いをすることで解決策に繋がる可能性があります。

 

人によって、「やる気はあるけれど仕事で疲れ切っている」「ミルクをあげるのは良いけれどオムツ交換はしたくない」など、いろいろな思いがあるはずです。

 

内容によっては腹が立つこともあるかもしれませんが、最初は聞く側に徹することをおすすめします。前向きに育児分担を改善するためには、相手の状況を把握することがとても大切です。

 

話を聞く中で、夫がそれほど無理をしなくてもできそうな育児のタスクが見つかれば、それを心に留めておいてください。

 

 

 

育児の分担を書き出してみる

 

 

夫が育児に積極的に参加していない場合、タスクをこなす大変さを理解できていないことも多いため、育児とは具体的にどのようなことをしているのか、全てを表に書き出してみるのがおすすめです。

 

授乳、オムツ替え、子どもの着替えなどはもちろん、寝かしつけや、予防接種の付き添いなど、思いつく限り全ての内容を書き出し、今現在それらのタスクを夫婦のどちらが担っているか、色分けをしてみましょう。

 

やらなければならないことを一覧にしてみることで、「育児の大変さ」がピンときていなかった旦那さんも理解しやすくなりますし、「このタスクはやってもらえると助かる」という交渉もしやすくなります。

 

最初は、夫にあまり負担がかからないと思われるタスクをお願いしてみましょう。「自分でもできたし、妻も喜んでくれた」と夫に感じてもらえれば、育児の分担を前向きに話し合える土壌が育ちます。

 

 

 

時間を区切って夫に子どもを見てもらう

 

 

育児の負担の重さを理解するには、自分で体験してみるのが一番です。思い切って、夫に子どもを預けて外出する機会を作りましょう。

 

育児慣れしていない旦那さんであれば、まずは短時間から始めるのがおすすめです。

 

筆者も、最初は寝かしつけた子どもを夫にまかせて、近所のコンビニエンスストアに5分ほど買い物に行くことから始めました。

 

30分ほどスーパーへ、1時間ほど散歩へ、3時間ほど美容院へ……、と少しずつ夫に子どもを預ける時間を延ばし、2人で過ごすことに慣れてもらいました。

 

最初のころは、筆者の方も子どもが心配で、「オムツ替えられた?」「ちゃんと寝かしつけできた?」としょっちゅう連絡を入れていましたが、そのうち夫婦ともにスムーズに預かり合いができるようになりました。

 

仕事が忙しい旦那さんでも、「週末に2時間だけ」など明確に時間を区切ると、応じてもらいやすくなるというメリットもありますよ。

 

 

 

 

旦那を責め立てない

 

 

夫が育児に参加してくれないと感じるとき、うっかりやってしまいがちなのが、「私はこんなに大変なのに、どうしてあなたは育児をしてくれないの!」と、相手を責め立ててしまうことです。

 

育児の大変さをわかってくれなかったり、主体的に取り組んでくれなかったりする夫に、腹が立つのは当然のことです。

 

ただ、「あなたが悪い!」と一方的に責められるだけでは、夫も反発するでしょうし、具体的に何をどう改善すれば良いのかもわからないため、育児分担の健全化を目指すには、あまり効果的な手段だとは言えません。

 

話し合いをするときは、できるだけ冷静に、次の内容に要点をしぼって端的に伝えることをおすすめします。

 

・自分の現状

抱えているタスクの内容や量

 

・自分の気持ち

体力的につらい、育児が孤独で悲しい、自由時間が欲しいなど

 

・改善して欲しい点

やって欲しいこと、止めてほしいことを具体的に

 

また、夫が自分の要望を聞き入れて、家事の一部を引き受けてくれたり、子どもを見てくれたりしたときは、それが100点の出来ではなかったとしても、長々と文句を言うのは止めておきましょう。

 

毎日家事や育児に取り組んでいる妻と、時々しか参加しない夫では、技術力に差が出てしまうのは仕方のないことです。にも関わらず、「私がやるようにどうしてできないの」と怒られてしまうと、夫の方も積極的に家事や育児に手を出す気力が削がれてしまいます。

 

母親が、最初から母親業の全てをできるわけではないように、父親も、家事や育児をうまくできるようになるためには、時間と経験が必要です。

 

協力してくれたことにお礼を伝え、改善して欲しい点があれば文句という形ではなく、「こうしてくれると助かる、うれしい」という、前向きなメッセージで伝えられると良いですね。

 

 

 

 

 

「一時預かり」もうまく活用しよう

 

 

長女が8歳になった今でこそ、わが家は夫婦ともに納得のいく育児の分担ができていますが、ここにいたるまでには、長い時間とたくさんの話し合いが必要でした。

 

最初のうちは、言葉を尽くしても夫に伝わらないと感じることもあるかと思いますし、短時間だけ子どもを見て欲しいと頼んでも、断られてしまうこともあるかもしれません。

 

心身ともに疲れ切っていると、冷静な話し合いをするのは難しくなります。育児の分担を前向きに改善するためにも、必要な時は一時預かりもうまく活用してみてください。

 

筆者も子どもが0歳~2歳のころは、ときどき一時預かりを利用していました。

 

子どもから離れ、自分のためだけに数時間を使うだけで、ずいぶん気持ちに余裕ができて驚いたことをおぼえています。

 

自治体が運営している一時預かり施設を利用したり、インターネットのシッターマッチングサービスを活用したりすれば、費用も1回数千円程度に抑えられます。

 

時には一時預かりサービスを使って気分をリセットし、気持ちに余裕ができたところで、改めて話し合いを行いましょう。

 

夫婦は車の両輪とも言われます。どちらかに負担がかかり過ぎては前に進めません。互いの言葉に耳を傾けて、双方に無理のない育児分担ができると良いですね。

 

 

 

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出典:Amazon

 

 

 

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