東日本大震災が起きた時、筆者は生後半年だった長女の育児休暇中でした。当時は防災グッズを備えておくという意識も薄く、紙オムツや、ミルクを作るための水が店頭からなくなり、途方に暮れたことをおぼえています。

 

あのときの経験から、今では必ず防災グッズを備えておくようになりました。筆者と同じように、大地震をきっかけに防災意識に目覚めたという方も多いのではないでしょうか。特に小さな子どもがいる場合は、赤ちゃん専用のアイテムを用意しておく必要があります。

今回は、赤ちゃんがいるご家庭で備えておきたい防災グッズを紹介します。

 

 

 

赤ちゃんがいる家庭で用意しておくべき防災グッズリスト

 

 

防災グッズには、「0次」「1次」「2次」の3種類があることをご存じでしょうか。

 

0次防災グッズは、毎日持ち歩くもの。

1次防災グッズは、いわゆる「非常用持ち出し袋」に入れるもので、避難時にすぐ持ち出すべきものです。

2次防災グッズは、在宅避難や、避難所生活をしたりする上で必要になるものです。

 

防災グッズは、この「0次」「1次」「2次」に分けて対策をし、備えておくことが大切です。

 

 


 

常に持ち歩く必需品!

0次防災グッズ

 


 

災害はいつ起きるかわかりません。外出先で被災してしまう危険に備えて、「0次防災グッズ」を携帯しましょう。

 

普段から持っているものに数アイテムを加えるだけで、安心感が高まります。次のリストを参考にしながら、普段の持ち物を確認してみてください。

 

 

赤ちゃんの必需品5点セット

 

・オムツ

・おしりふき

・飲み物(お茶やミルク)

・おやつ

・着替え(1セット)

 

この5点セットは、赤ちゃん連れのご家族なら持ち歩いていることが多いと思います。

オムツ・飲み物・おやつは、必要な分+1回分を目安に持ち歩くようにすると、予備にもなりますし、災害時にも役立つのでおすすめです。

 

 

赤ちゃんの防災グッズ必需品

 

・ビニール袋

・現金

・健康保険証(母子手帳・乳幼児医療証)

・抱っこ紐

・おくるみ・ブランケット・授乳ケープなど大判の布

 

 

 

  ビニール袋

 

使用済みのおむつを捨てたり、汚れた着替えを入れたりと、子育て中は出番の多いビニール袋。

普段の生活ではもちろん、災害時にも、ゴミ袋にしたり、食べかけのお菓子を入れておいたりできるため重宝します。

筆者は100円ショップで購入できる、ロール状のコンパクトなビニール袋を愛用中です。

 

 

  現金(千円札や小銭が使いやすい)

 

災害によって電気が止まると、お店が開いても現金決済しかできなくなります。また、お店でお釣りの用意ができなくなる場合もあります。

そのため、千円札や小銭を準備しておくと安心です。

筆者は被災時用のコンパクト財布を、普段使っているカバンの中に常に入れています。中身は千円札を5枚と、100円玉が10枚、10円玉が10枚です。

小銭は、公衆電話を使う必要があるときにも役立ちます。

 

 

  健康保険証(母子手帳・乳幼児医療証)

 

健康保険証が手元になくても、災害時に病院で受診することは可能です。とはいえ保険が適用されず、本来は3割負担で済むはずの医療費を、いったん全額支払わなければならないリスクもありますし、後から返金手続きを行うのも手間がかかります。

身分証代わりにもなるため、子どもの健康保険証は持ち歩いていた方が良いでしょう。

また、予防接種や急な体調変化が多い1歳ごろまでは、母子手帳と乳幼児医療証(子ども医療証)も携帯していると安心です。

なお、乳幼児医療証(子ども医療証)については、手元になくても、保険証があれば窓口での支払いは3割負担で済みますし、返金手続きも役所に請求するだけなので、それほど難しくはありません。

そのため、1歳以降に必要性をそれほど感じなければ、普段は自宅に置いていても良いのではないでしょうか。

 

 

  抱っこ紐

 

災害時は足場が悪くなり、ベビーカーが使いにくくなる可能性があります。そのため、抱っこ紐を用意しておくと安心です。

筆者の次女は3歳になりましたが、今も薄手のスリングを常にカバンの中に入れていますよ。

 

 

  おくるみ・ブランケット・授乳ケープなど大判の布

 

寒さをしのぐために使ったり、床に敷いたりと、大判の布を1枚持っていると何かと役にたちます。

コットン製のおくるみや、薄手のバスタオルなどであれば、かさばらず持ち歩きやすいので、1枚用意しておくと良いでしょう。

 

 

 


 

避難時に持ち出せる!

1次防災グッズ

 


 

 

続いて、非常時に持ち出す「1次防災グッズ」に入れておくアイテムを見てみましょう。

 

「1次防災グッズ」は、救援物資が届くまでの「3日間をしのげる量」を目安に準備するのが良いと言われていますが、子どもがいる場合は+1日分を予備として用意するとさらに安心です。

 

 

赤ちゃんの必需品(最低3〜4日分)

 

・オムツ
・おしりふき
・着替え
・飲み物
・おやつ

 

「0次防災グッズ」と同じ内容ですが、赤ちゃんの月齢にあわせて3~4日間過ごせる量を、非常用持ち出し袋に入れておきましょう。

 

 

赤ちゃんの防災グッズ

 

・液体ミルク

・使い捨て哺乳瓶

・ベビーフード

・ベビー用使い捨てスプーン

・ベビー用歯ブラシ

・赤ちゃんの常備薬

・おもちゃ

 

 

  液体ミルク

 

2018年8月から日本でも製造・販売が可能になった液体ミルク。封を切ればそのまま飲める上、常温で半年ほど保存できるため、非常時には特に心強い存在です。

水や電気が止まると、ミルクを作ったり哺乳瓶を消毒したりするのが難しくなります。液体ミルクならそのまま飲ませることができるため、用意しておくと安心です。

完全母乳で育てている場合でも、被災のショックや避難生活のストレスで、母乳が出にくくなることもあります。念のため、粉ミルクも組み合わせて3~4日分を備えておきましょう。

缶ミルクはかさばるので、キューブタイプのミルクがコンパクトでおすすめです。

 

 

  使い捨て哺乳瓶

 

被災時には、使い捨てタイプの哺乳瓶があると便利です。

筆者は、飛行機の移動時に使い捨て哺乳瓶を使っていました。普段使っていないものなので、赤ちゃんは少々吸いにくそうではありましたが、消毒不要で衛生的に使えるため気に入っていました。

コップから飲める赤ちゃんの場合は、代わりに紙コップを用意しておきましょう。

 

 

  ベビーフード

 

レトルトパウチで、開封したらそのまま食べられるタイプがおすすめです。

月齢にあわせたベビーフードが必要なので、離乳食を始めたばかりのときは、2~3カ月に1度は非常用持ち出し袋の中身を確認して、適したものに入れ替えておくのを忘れずに。

 

 

  ベビー用使い捨てスプーン

 

赤ちゃんの口のサイズにあった、使い捨てスプーンがあると便利です。

離乳食をあげるときはもちろん、まだコップが使えない赤ちゃんに飲み物をあげるときにも使えます。

筆者は100円ショップで購入できるアイスクリーム用のスプーンを、防災グッズの中に入れていますよ。

 

 

  ベビー用歯ブラシ

 

意外と忘れがちなのが、赤ちゃんの歯のケアです。

節水が必要な避難先で口内環境が悪くなってしまわないよう、ベビー用歯ブラシを入れておきましょう。

歯が少ないうちは、拭き取りタイプの歯みがきシートでも良いですね。

 

 

  赤ちゃんの常備薬

 

赤ちゃん用の風邪薬や咳止めなど、普段よく使っている薬があれば入れておきましょう。

 

 

  おもちゃ

 

避難所生活になると、普段の生活とは違うため赤ちゃんにもストレスがたまります。

「少し前まで気にいっていたおもちゃ」を捨てずに避難グッズに入れておくと、赤ちゃんの気分転換に役立ちます。

音が出ないもの、汚れを拭き取りやすいものがおすすめです。

 

 

 

 


 

家に備蓄しておく!

2次防災グッズ

 


 

在宅避難や、避難所での生活が長期化したときのために、自宅に次のような「2次防災グッズ」を用意しておくと安心です。

 

 

赤ちゃんの必需品(およそ一週間分)

 

・オムツ
・おしりふき
・着替え
・飲み物
・おやつ

 

「0次防災グッズ」から引き続きの内容ですが、およそ1週間分をめどに自宅に備えておきましょう。

特に「おしりふき」は、手や身体を拭いたり、汚れた場所を清潔にしたりと使い勝手が良いので、多めにストックしておくことをおすすめします。

わが家では、常に最低1週間はまかなえる量を買っておいて、使った分だけ買い足していくという「ローリングストック法」を取り入れていますよ。

 

 

 

災害時にあると役立つもの

 

 

  哺乳瓶を洗う薬液

 

普段、煮沸や電子レンジで哺乳瓶を消毒しているという方は、ガスや電気が止まったときのために、もあわせて用意しておくと良いでしょう。また、カセットコンロを準備しておけばいざという時に煮沸消毒もできます。

ミルトンなどの消毒液を常備しておくと哺乳瓶の消毒以外にも役に立つ場面もあるので準備しておくと良いかもしれません。

 

  タオル類

 

水が止まると数日間洗濯ができません。タオル類は多めに用意しておきましょう。

バスタオルは赤ちゃんのおくるみや布団代わりにもなります。防寒着としても使えて便利です。

 

 

  レジ袋

 

取っ手つきのレジ袋は、何かを持ち運んだり、簡易トイレとして使ったりと、用途がたくさんあります。

タオルとレジ袋を組み合わせて、簡易おむつを作ることもできるため、5枚~10枚程度を常に保管しておくと良いですね。

 

 

  カイロ / 冷却ジェルシート

 

電気が止まり、室内の温度を調節できないときのために、カイロや冷却ジェルシートがあると便利です。

 

 

  除菌グッズ

 

手を洗う回数が減りがちな避難生活のために、除菌ウェットティッシュや、アルコール手指消毒剤も備えておきましょう。

 

 

  ママ用の薬やビタミン剤

 

母乳で育てている場合、一部の薬は飲むことができません。

授乳中でも飲める薬や、飲み慣れているものがあれば、防災グッズとしても使えるよう、普段から多めに用意しておいた方が良いでしょう。

また、避難中は栄養がかたよりがちです。授乳時期に適したビタミン剤を準備しておくと、いざというときも少し気持ちが楽になりますよ。

 

 

 

 

防災グッズは3カ月~半年に1回見直そう

 

 

赤ちゃんのための防災グッズをご紹介しました。

特に赤ちゃんは成長が早く、食べ物や飲み物、衣類などを、その月齢に適したものに替えていく必要があります。

大人用の防災グッズは、1年に1回程度の見直しでも問題ありませんが、赤ちゃんがいるご家庭の場合は、3カ月~半年をめどに、中身を確認することをおすすめします。大きめのマザーズバッグなどにひとまとめにしておくと良いでしょう。

被災時にも慌てずに済むよう、本記事を参考に、ぜひ防災グッズを備えてみてくださいね。